ニトロのるつぼ

「低いハードルをぺたぺたと」「継続は力なり」

くらもちふさこ『花に染む』8巻感想

time 2017/04/27

くらもちふさこ『花に染む』8巻感想

くらもちふさこさんの『花に染む』が、第21回(2017年)手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞しました。くらもちさん初受賞の事実にも驚きましたが、ニトロは『花に染む』最新刊が、昨年のうちに発売されていたことをこのニュースで知りました^_^;

最終回は雑誌で読んでいて、単行本の発売を楽しみに待っていたのですが、本屋に行くたびにチェックしていたのに見つけられず、「まだ出ないのか~」と勝手に思い込んでいました。江古田ちゃん最終巻の時ほど長い期間知らなかったわけではないものの、それでも発売から半年ほど遅れて、やっと完結の8巻を購入しました。

『花に染む』の主な登場人物は、陽大、花乃、雛、楼良。最終回を読んで、陽大がずっと想っていたのは花乃だったと分かって、ニトロはキュンキュンしちゃいました。二人とも、お互いを誰よりも大切に想っているのは伝わるのですが、それが親愛の情なのか、恋愛感情なのか、ここまではイマイチはっきり描かれてこなかったので(ニトロの読解力のなさが原因?)やきもきしていたのです。陽大は楼良にキスするし、雛にも何らかの含みがある気がするし、花乃には特別優しいけど、それは親友だからこその態度だと考えていました。

最終回のクライマックスは、花乃、雛、楼良が三位一体となって弓をひくシーン。陽大が楼良に弓を教えたのは、陽大が自分の代わりに花乃と弓を引くためで、だからこそ、花乃にも貸さなかったカケや弓を、楼良には貸したのですね。
試合が終わって、陽大と花乃が抱き合う場面、陽大が愛しそうに花乃を抱きとめるところは、本当に格好良かった。でも、花乃の泣き顔は、もう少し可愛く描いて欲しかったな~^^;これまでクールなキャラを貫いてきた花乃が、最後の最後で様々な想いが溢れたからこその表情なのは分かるのですが。

花乃は楼良に『弓で』負けたと思い(技術ではなく、自分が追い求めていた陽大の弓を楼良が再現していたという意味で)、楼良は花乃に『陽大で』負けたと思う、1ページで三角関係の立ち位置を鮮やかに表現した、くらもちさんの手腕には脱帽です。
他方、陽大の雛さんへの想い(中学生時の雛とのやりとりまで、全て兄の記憶のすり替えで説明するのは苦しい気が・・)、楼良へのキスなど、陽大の振る舞いにはスッキリしない点が残りました。

また、弓道部の佐々木さんは、弓道のためだけに坊野学園から転校してきたのかしら?そんなことって、現実にあり得るのかしら?一学生にすぎない雛さんが、講師を引っ張ってくるなんて可能なのかしら?など、大学のスポーツ事情に疎いニトロには、いまいちピンとこない設定もありました。新保さんの失恋に責任を感じた佐々木さんが、自ら試合出場を辞退するなど、ご都合主義(花乃、雛、楼良の三人立ちを実現させるためのお膳立て)も見え隠れしましたが、くらもちさんの漫画は、細かい部分につっこみを入れるのではなく、とにかくキャラクターの独特さと空気感を味わうものだと心得ていれば、特に不満もなく楽しめると思います。

ニトロが初めて読んだくらもちふさこ作品は、不朽の名作『おしゃべり階段』でした。ニトロ母に勧められて小学生の頃に読んだ時は、絵は古くさく見えたし(なんせ、当時はバリバリのりぼんっ子)物語の面白さも理解できませんでした。時を経て、自分が実際に思春期を迎えて登場人物たちと同年代になった時、そして過ぎてしまった後に改めて読み返して、青春時代の甘酸っぱさや葛藤を余すことなく表現した、すごく良い漫画だったのだと再発見したものです。ヒーローの中山手線が「こんな男の子いないよねぇ」って感じで、めっちゃ格好良いのです。陽大みたいな分かりにくさはなくて、でもちゃんと男性っぽさはあって。くらもち漫画のヒーローは、ただ優しいだけじゃなくて、自分の芯をしっかり持っているのが魅力的です。

『花に染む』は、何を考えているのか分かりにくい陽大が軸となって、知ってか知らずか3人の女性を振り回す形になっていました。連載初期は、なんだかんだ言いつつ、陽大が好きなのは雛で、一方の花乃は「陽大は親友」と言いながらも、本当は恋愛感情として陽大が好きで、だから二人の両思いエンドは、あってほしいけどないのかなぁ、と思いながら読んでいました。時折、陽大が示す花乃への好意的な表現も、改めて読み返すと、ちゃんと女子として好きだったのねーと素直に読めるのですけど。「二人は親友」のキーワードに、読者として引っ張られ過ぎていたのかもしれません。

何はともあれ、美しい絵柄と唯一無二のストーリーは、くらもちふさこさんにしか描けない世界観です。いくえみ綾さん、樹なつみさんもそうですが、ニトロが格好良いと感じる男性キャラクターは、女性の都合の良いように動かない、男性思考があるキャラクターです。女性が考える範疇で語れる男性なんてつまらないですよね。長年にわたって、第一線で活躍している上記漫画家さんたちの男性キャラクターの格好良さは、折り紙つきです。

最終巻で綺麗にまとまったところで、また時間があるときにでも、最初から読み返してみようかな(^^)

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