ニトロのるつぼ

「低いハードルをぺたぺたと」「継続は力なり」

世界遺産 ラスコー展〜クロマニョン人が残した洞窟壁画〜@国立科学博物館

time 2017/02/22

世界遺産 ラスコー展〜クロマニョン人が残した洞窟壁画〜@国立科学博物館

国立科学博物館のラスコー展、行ってきました。
2016年12月の東京旅行では「レプリカには興味ないわー」とスルーしたのですが、テレビドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』のロケ地としてラスコー展が登場、画面越しにチラッと映った展示が予想外に素敵だったので、思い直して行くことにしたのです。
最初は「レプリカなんて見てもなぁ・・」と思っていたけど、そもそも本物のラスコー洞窟は非公開ですし、本物を摸して作られた洞窟『ラスコー2』だって、フランスまで行かないと見れません。そう考えると、フェイクではあるけれど、そこに価値を感じるかどうかは自分次第かも、と思えてきたのでした。また、実際の絵画制作に使われた石器や顔料、ランプなど、日本初公開の出土品展示も魅力的でした。

国立科学博物館は、上野駅から徒歩5分ほどの場所にあります。前回ニトロが上野に来たのは、確か五十嵐さんの生還ライブ翌日。妹二人+甥っ子と上野動物園に行ったのが最後なので、約四年ぶりです。思い出すと、何だか色々と懐かしい。最高だった、生還ライブ。
五十嵐隆『生還』@NHKホール 2013.5.8
国立科学博物館は月曜が休館日ですが、ラスコー展も終盤を迎えているからか、ニトロが行った日は月曜日ながら開館していました。チケット料金は当日券1600円で、特別展だけでなく科学博物館にも入館できます。今回はラスコー展だけでも二時間ほどかかったので、科学博物館はまたの機会に譲りました。
東京の美術展の人の多さにはいつも驚かされますが、ラスコー展も平日にしては賑わっていました。そうは言っても自分のペースで廻れたので、混雑時に比べれば空いていたのは間違いありません。ラスコー展はレプリカの洞窟壁画や洞窟模型などは撮影OKで、実物資料系はほとんど撮影禁止でした。

会場に入ってすぐ、鑑賞者を出迎える形で置かれていた精巧な復元模型。あどけない少女が、母親に化粧を施してもらっています。クロマニョン人の姿は現代の人類とほぼ同じらしいですが、それにしても猿人から一気に人間寄りに進化を遂げています。

そもそもラスコー洞窟の壁画について、歴史の授業でかろうじて聞いたことがある程度で、詳しい知識はありませんでした。ラスコー洞窟を縮小した全体模型を見て、実際のラスコー洞窟は地下に広がった空間で、想像以上に奥行きと深さがあったことを知りました。クロマニョン人は、何故こんな場所に絵を描こうと思ったのでしょう。理由については、仲間内での伝達手段だった(絵が文字の役割を果たしていた)、祭祀の意味合いがあったなどの諸説あるみたいです。
当時、純然たる芸術として描かれたわけではないでしょうが、生き生きとした動物たちの絵は、現在も私たちを魅了して止まない力があるのは確かです。

ラスコー2の制作ドキュメンタリー映像も面白かったです。今ほどのハイテク技術はありませんから、ほぼアナログな方法で作られたラスコー2。実際の洞窟壁画を細かく計測しながら、アーティストがひたすら模写でレプリカを作っていく過程は、気が遠くなる作業でした。
ラスコー2に比べると、今回の展示レプリカ=通称ラスコー3は、3D技術を駆使して、より精巧に作られた第三世代のラスコー洞窟というわけです。

本展のメインとも言えるラスコー洞窟のレプリカ展示は、主に『身廊』と『井戸状の空間』の壁画を復元してあって、全部で五つの壁画が描かれています。
メイン照明が暗くなると線刻部分が青いライトで浮かび上がる仕掛けも、現代ならでは。


『褐色のバイソン・ヤギの列・ウマの列』の壁画。


レプリカのセンターに配された『黒い牝ウシ・ウマの列・謎の記号』の壁画。彩色と線刻の技法が組み合わされていて、暗くなると隠れた線刻が浮かび上がります。
 
『背中合わせのバイソン』の壁画。奥側のバイソンは、手前のバイソンに比べて少し薄い色で描かれていて、奥行きを表現しています。手前の黒いバイソンの赤い箇所は、生え代わった毛の色を表しているらしい。今にも動きだしそうなほど生き生きとした細かい描写は、自然と共生して間近で観察していたから成せる業でしょう。二枚目の写真では、奥のバイソンの前脚が短く写っていて、まるで絵が動いているように見えます。

上記三つの反対側に目を向けると『泳ぐシカ』の壁画があります。洞窟の形状も絵の一部と考えて、陰で暗くなっている部分を川に見立てて、鹿が泳いでいるように描いている・・らしいです。その想像力が素晴らしい。この絵は地面から約2mの高い位置にあり、ハシゴを使って描いたとも言われています。



ラスコー洞窟の最深部、深さ5mのたて穴を降りた広間に描かれた『井戸の場面』には、ラスコー展のキャラクターにもなった鳥人間とトーソーキが登場しています。この絵は少しキッチュというか、シュールというか・・。現代のゆるキャラにも繋がる雰囲気です。

オオツノジカの複製標本。肉はもちろん、皮から骨まで一切無駄にせず使いきっていたのでしょう。
手先が器用だったクロマニョン人が作った飾りや、実用品に施された細工には、現代に通じる美を感じました。骨や石から作られた道具だけを見ても、どうやって作っているのか想像しにくいものですが、ラスコー展では、どんな方法で道具が作られていたか、映像で説明してくれるゾーンがあったので、とても分かりやすかったです。縫い針がどれほど画期的な発明だったか。縫い針一本作るのに、どれだけ手間暇かかっていたのか。現代社会では当たり前に使っているモノだって、昔は全て人の手で作られていたのですよね。
洞窟に壁画を描くのも、誰もが出入りして好き勝手に描くというより、やはりコミュニティ内で「お前が適任だ」と任されるような芸術家肌の人がいたのかな?向き不向きって絶対あっただろうし、狩り担当、壁画担当、なんて分業制だったりして^^

縫い針を使って仕立てたであろう衣服を身にまとった精巧な復元模型。近くで見ると、毛の一本にいたるまで微細に表現されていて、今にも動きだしそうなほどでした。

「ご自由にお持ち帰りください」と、連絡通路に置かれていた逃げ恥コラボステッカー。鳥人間が恋ダンス踊っているのが可愛いです^^ニトロも、記念に一枚もらって手帳に貼りました。

限られた道具と材料で描かれたラスコー洞窟の壁画は、原始的だからこそ普遍性のある美として捉えられるのかもしれません。現代アートと呼ばれる作品が、何万年か後に果たしてどれほど残っているか、そして、残った作品は、その時代の人類に感動を与えられるでしょうか・・。
当時のクロマニョン人が壁画に込めた意味を知る術はありませんが、現代においては、余計な雑念や欲望とは無縁の純粋なアートとして、また、かけがえのない人類の遺産としても価値があるのだと実感しました。

東京会場のみで終わりかと思っていたラスコー展ですが、2017年の春から初秋にかけて宮城と福岡を巡回するとアナウンスされました。子どもでも十分楽しめる展示内容ですし、知的好奇心を刺激されること間違いなしです。せっかくの巡回展ですから、機会があれば宮城、もしくは福岡のラスコー展に足を運んでみては如何でしょうか^^

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