ニトロのるつぼ

「低いハードルをぺたぺたと」「継続は力なり」

東村アキコ『東京タラレバ娘』5巻感想

time 2016/05/13

東村アキコ『東京タラレバ娘』5巻感想

現在、ニトロが新刊発売日に欠かさず買っているコミックスは
いくえみ綾さん『太陽が見ている(かもしれないから)』
羽海野チカさん『3月のライオン』
東村アキコさん『東京タラレバ娘』
の三作品です。
東村アキコさんは多作で知られていますが、ニトロが持っているコミックは『かくかくしかじか』のみ。東村さんの自伝エッセイ漫画です。ニトロはノンフィクション漫画が好きなので、最初から最後までリアルタイムで読んでいました。最終巻で、今ちゃんが先生の最後の言葉を伝えるシーンでは、東村さんに泣かされましたよ・・。自分でもビックリでしたが、それぐらい感情移入して読んでいました。
東村さんといえば、育児エッセイ漫画の金字塔『ママはテンパリスト』も圧倒的な人気ですが、ニトロは断然『かくかくしかじか』派です。
昨年、浦沢直樹さん企画のNHK番組『漫勉』に東村さんが出演していましたが、とにかく絵を描くスピードが速いこと!線の勢いの凄まじさに「これがトッププロの仕事なのか!」と驚嘆。番組では、東村さん初の時代もの『雪花の虎』を取り上げていました。

『東京タラレバ娘』は、妙齢(作中では33歳)の仲良し女性3人組が、容赦なく迫りくる現実に悪戦苦闘する様子を面白おかしく、でも時に真面目に描いたコメディ漫画。ニトロ自身、登場人物の言動に共感したり、身につまされたり。現実にはあり得ない少女漫画チックな出会いや設定も多々ありますが、マンガですからね、そこは。事件やドラマが生まれなければ、漫画として成立しませんし。
それらを差し引いても、あるあるネタが多くて楽しく読めます。物語がどうやって終わるのかが見ものですが、いまいち予想がつきません。

先日発売された最新5巻は話のペースがゆったりめで、分かっていた部分の種明かしを済ませた感じです。新たな展開というほどのこともなく。ここから、どうやって終わりに持っていくのかな。
香は昔の恋人バンドマンと別れて、小雪も不倫から足を洗って。二人はダメンズと切れること前提ですが、主人公の倫子とヒーロー的役回りのKEYがどうなるのか、イマイチ分かりません。
KEYは、もろ東村さんの好きなK-POPアイドルっぽい姿かたちですが、たぶん一般層にはあまりウケないヒーロー像だと思います。作中ではイケメン売れっ子モデルとして描かれているけど、絵柄としては別にカッコよくも見えないし。
いくえみさんの描く男子がどれもこれも実在しそうな存在感で、なおかつカッコよいのとは対照的です。それぞれの好みによるでしょうし、一括りにはできませんが。
ちなみに、ニトロと妹1にとっての漫画内最強ヒーローは、樹なつみさんの名作『八雲立つ』の主人公、布椎闇己くんです。樹なつみさんの描く男性は、媚びない感じがいいのです。聡明なキャラクターが多いのも特徴。きっと、樹さん自身とても賢い人なのでしょう。

話を戻すと、ヒーロー役のKEYに思い入れはないものの、やはり倫子とくっつくのが一番の落としどころなのかしら。
余談ですが、登場人物で一番好きなのは倫子さんの弟子、マミちゃんです。ただの緩いギャルかと思いきや、かなりの世渡り上手。仕事には全力投球で、エネルギッシュ。とても魅力的な女の子です。早坂さんと付き合うと決めた時には、年下彼氏がいましたが現在はどうなっているのか、若干気になっているニトロです。

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