2021/11/14

東村アキコさんの『東京タラレバ娘』最新8巻が発売されました。
7巻発売が今年の1月だったので、相変わらずのハイペースぶり。本編3話、タラレBAR、ドラマ撮影レポ漫画が収録されています。現時点での雑誌最新話まで収録されるかと思ってましたが、一話前まででした。回想話を挟んだので仕方ないのかもしれませんが、8巻の続きの回も、場面は変わらず倫子さんとKEYメインの話ですから、どうせなら本編4話をまとめて収録した方が格好がついた気がします。
コミック収録回は全て雑誌掲載時に読んでいましたが、改めて読み返すと、若かりし頃のタラレバ娘の回想話の破壊力が凄まじいです。「今の若さは永遠!」とばかりに無敵感あふれる三人娘が、年を取るにつれて、内臓にしか興味を示さない呑んべえに変貌する過程は、どうにも身につまされます。ニトロはお酒飲みませんし、内臓系苦手ですし、女子会もしませんが、問題はそこではありません。
どれだけ「自分はまだ若い、まだイケてる!」と思い込んでも、本当の若さ、煌めき、肌の艶には到底勝てっこないのです。時間の流れだけが誰の下にも平等で、15年経てば、15年分きっちり年を取るのは抗えない真理です。
まごう事なき残酷な事実を、これでもかと突きつけてくるタラレバちゃん。可愛い顔して、平気で毒矢を吹いてくる無邪気さが恐ろしい。
まぁ、そうはいっても『タラレバ娘』は漫画ですから、倫子さんと年下イケメンモデルのKEYくんにロマンスが発生したり、レンタルビデオ店でイケメンバー店主と知り合ったり、仕事ができる同僚と良い感じになったりと、ファンタジー要素は多分に盛り込まれています。
東村アキコ『東京タラレバ娘』7巻+続き感想
いい人代表の早坂さんを放り出して(自主的にではないとは言え)、結果的にKEYとの逢瀬を選んでしまった倫子さん。タラレバ娘の主題は倫子さんとKEYの関係性ですから、今後すんなりいくかどうかはさておき、連載もそろそろ終盤に差し掛かってる感じですね。早ければ次の9巻、長くても10巻までで終わりそう。
最終的には、倫子さんだけでなく、香や小雪にも春が訪れると良いなぁ。今巻でも良い働きをしてくれたマミちゃんは、何をどうやっても幸せを掴むキャラだから、全く心配はありませんけどね。
早坂さん、マミちゃんには振られましたが、ようやく倫子さんと落ち着いた大人の関係が築けたと思ったのに、やはり当て馬にしかなれない不憫さ。タラレバの登場人物では、一番まともだし、現実に存在していたら絶対に大人気ですよね。ほんとに勿体ない。
結局、いくつになっても、本能で感じるトキメキには勝てないのでしょうか^^;