2021/11/14
つい先日、レンタルコミックで借りて読んだ樹なつみさんの最新作『一の食卓』。
新選組の斎藤一がパン屋の丁稚?!樹なつみ『一の食卓』1~3巻を読みました
妹1に貸したら思いのほかハマったらしく、続きが気になる!と4巻を買って、ニトロにも貸してくれました。
どうしても気になっちゃうのは、新選組時代の土方さんと一さんの関係性です。
原田さん、永倉さんから「食客なのに、明らかに特別扱いをされていた」と言われる一さん。ひたすらクールで滅多に表情を変えない一さんですが、土方さんを思い出している時は感情が表に出ていますし。
『八雲立つ』の闇己くんと七地の関係に顕著なのですが、樹さんは男性同士の絆を主とした作品が多いです。明らかに友情以上の気持ちを持った特別な繋がりは、精神面でのBL作品と読めなくもない・・気がします。
今作で言えば、土方さんと一さんの関係性もそうですし、一さんと卯吉にも同じことが言えそうです。
和装から洋装まで何でも着こなす土方さんの色男っぷりも凄い。写真が残っている実在の人物は想像の余地が少ないですが、土方さんについては実物がカッコよいのが前提条件なので、どれだけ美化しようとも問題ありませんね^^
死の床にいる沖田総司が一さんに語りかける
「いいなぁ おまえは くれないかなぁ その体」
の台詞なんて、よく書けますよね。病に倒れた自分を歯がゆく思う、総司の実感として胸に迫ってきます。
不眠不休でパン種を作る明ちゃんを心配する一さんの優しさ。
敵う者がいない凄腕で守ってくれて、料理は美味しいと食べてくれて、なおかつイケメンですもん。惚れるなってのが無理ですよねー。
脇キャラ好みの妹1は、一さん配下の卯吉が好きらしいですが、ニトロは断然一さん派。新選組時代の長髪よりも、今の時代の髪型が好きです。一さんを慕う明ちゃんと恋仲に進展してほしいですけど、28歳の一さんと15歳の明ちゃん。
上手くいったらいったで、一さんロリ疑惑が持ち上がりそう^^;
4巻の最後には、若かりし頃の一さんが登場します。一さんだけではなく、新選組の屋台骨を成す試衛館メンバーも続々登場。江戸編前編と銘打たれていますが、前後編なのでしょうか。
ここまでは完全無敵の一さんでしたが、ようやく沖田総司とも出会いました。4巻では喧嘩をしただけですが、次巻では剣で相対する場面もあるのかな~、楽しみです^^
やはり、新選組誕生前夜のワクワク感や、華々しく活躍していた京都時代の話はエンターテイメント性抜群です。若さ溢れて血気盛んなメンバーは可愛いし、当時からクールキャラだった一さんが、昔馴染みの藤といる時に見せる照れ顔の破壊力は凄まじい!藤との別れを暗示させるような引きでしたが、どうなったのでしょう。
商売相手ではない、一さんの純愛(?)の行方が気にかかりますね。
貧乏御家人の次男として、まさしく厄介者扱いだった一さん。家族のなかにあって、自身の存在の違和感に苦しむ描写は、闇己くんと重なる部分がありました。
これまで『一の食卓』はたまに雑誌で読む程度で、単行本まで追いかける気はありませんでしたが、最初から順を追って読み進めていくうちに、まんまと樹なつみワールドの虜になってしまいました。
他の誰とも違う、樹なつみ作品でしか味わえない読後感。ただ「楽しかったー」に留まらない、人間の微妙な心理や悲哀を描かせると、本当に一流だなぁと感服です。
何よりも、男性キャラクター造形の格好良さが際立っています。逆に可愛い女の子は苦手?セレブ系ゴージャスな女性なんてめちゃ上手ですけども。
続きが楽しみですが、下手に長期化するよりもキリ良くスパっと終わらせてほしいなぁ。
樹さん、他の漫画に寄り道したり、もしくは連載途中で止まることがあるので^^;『ヴァムピール』も休止してるだけ?で連載は終わってないはずですが、新たに『一の食卓』始まっちゃったし。
興味が湧いたら描かずにはいられないのかもしれませんし、何十年にもわたって面白い作品を生み続ける才能には驚くばかりですが、万が一『一の食卓』が中途半端に放置されたら、続きが気になって仕方ないですからね。
できるだけコンパクトにまとめてほしいな~。せめて10巻までで・・。