2021/11/14
現代アーティストの村上隆さんが主催している『kaikaikikiギャラリー』で、奈良美智さんのドローイング展を観てきました。
kaikaikikiギャラリーには、obや大谷工作室の展示を観に来たことがあるので、今回で三回目の訪問です。
2月のsyrup16gライブでは時間が厳しくて一度は諦めたものの、埼玉ライブが決まったので「これは、やはり奈良さん展にも行かなくては!」と計画立てましたよ。
三回目のカイカイキキギャラリーは、平日にもかかわらず今までで一番多くのお客さんで賑わっていました。これだけの人が集まるのか!と驚きましたし、今更ながら奈良さんの人気の幅広さに感心しました。
奈良さんの画業三十年分のドローイング作品を展示しているだけあって、とにかく想像以上の大ボリュームでした。撮影OKなので、写真を撮りながら観ている人が多かったです。ニトロは、最初から写真撮影に集中してしまうと大事な部分を見逃してしまう気がするので、まずは手ぶらでじっくりと作品を見て回りました。
時系列に展示してあるので、昔の作風から、現在に繋がる作風までの変遷がリアルに分かったりして、とても興味深かったです。
「奈良さんと言えば」のイメージを確立した、幼い子どもや犬の絵に辿り着くまでの無名の頃の奈良さんの絵を、当時観たと仮定して、果たしてニトロのアンテナはキャッチできたかなー?と考えたり。
皆から良いと認められている作品だから良いと見るのではなく、気付いている人が少なかろうと、自分にとっては良いのだ、と言い切れるならそれで十分だと思います。でも、どうしても評価が定まった作品=良い作品だと思ってしまうところからは、なかなか逃れられません。
たとえば、現代の新人作家さんの作品展に、ごく初期の奈良さん作品が混ざっていて、先入観なしで「この作品が好きだな」と気付けるだろうかって、自分自身に問いかけるのですが、たぶん無理だろーなぁ。。
どこかで「人は、既に知っている作品を観に行くのだ、価値が定まっている作品にだけ対価を払うのだ、なぜなら失敗したくないから」といった類の言説を見ましたが、確かにと首肯せずにはいられませんでした。
その意味で、奈良さんのドローイングを見に来ているニトロは、とても保守的なのかなーと思ったりしました。でも、良い作品は良いし、やっぱり好きなのですよね。
今回の展示作品は販売対象外だろうと頭から考えていましたが、普通に販売してたのですね・・。そりゃそうか。ギャラリーの運営費をどうやって捻出するのって話ですもんね。奈良さんの作品を買いたい人生でした^^