ニトロのるつぼ

「低いハードルをぺたぺたと」「継続は力なり」

樹なつみ『一の食卓』6巻感想

time 2018/03/03

樹なつみ『一の食卓』6巻感想

八雲立つの続編『八雲立つ灼』と共に、『一の食卓』第一部完結となる最新コミックス6巻が発売されました。

新撰組時代の長髪一さん&明のツーショットが目印です。
最初に連載が終わると知った時は「核心に触れるまで物語は進んでいないのに、どうやって終わらせるのだろう?」と思ったのですが、とりあえず第一部の完結であって、続きはあるみたい・・なので、気長に待ちたいです。
八雲立つ灼も長くなりそうだし(花咲け番外編も、続編だけでコミックス5巻分あったので)、第二部開始が何年後になるかは、樹さんのみ知る・・といったところでしょうか^^;
とりあえず、6巻感想です。

話は、一さんが新選組に入る前から。
壬生浪士隊の内情調査を命じられた一さんですが、そこで試衛館メンバーと再会します。
半年ぶりに再会した土方さんに「俺の草になれ」と言われ、理不尽さを感じつつも何となく従ってしまう一さん。
芹沢鴨一派と梅を暗殺するまでを描いた過去編は、読んでいて悲しさ溢れる話でしたね。なぜか誰からも気に入られる一さんが、梅まで殺された事実にショックを受けていたら、総司が一言
「ぬるい お前が土方さんにいまいち信用されないのは そこだね」と言い放ちます。
総司にとっての主君は近藤さんであり土方さんでもあるので、「やれ」と言われた以上、理由はさておき選択肢は「やる」しかないわけです。そこに躊躇は感じられません。
でも、一さんには盲信できる対象がないし、かといって信念もないから、何をしていても、どこか諦念からくる冷静さと、それ故の情があります。
過去編は始まったばかりで、時系列に沿って描いていけばどれだけの長期連載になるの?と心配になりますが、一の食卓は、明治時代の話がメインだろうから、過去編がどこまで描かれるのかは分かりませんね。八雲立つ形式で、現代と古代をいったりきたりしてたら、思いっきり長くなりそうだしなぁ。

芹沢一派の暗殺話から明治時代に戻って、話はフェリさんと明メインになります。
天皇誕生日に開かれる外国賓客の晩餐会。総合料理長に抜擢されたフェリさんですが、馬車に轢かれそうになった明をかばって、腕を怪我してしまいます。自分のせいだと落ち込む明を慰めるフェリさんと一さん。
どうしてもフェリさんの役に立ちたい。でも、女のままでは厨房にすら入れないと思い悩んだ明は、自ら髪を切って、男装してフェリさんを手伝うと言い放ちます。
今では珍しくも何ともない女性の断髪(?)ですが、当時はまず常識の範囲外だったのでしょう。周囲の反応の大きさや戸惑いが、事の大きさを示しています。でも、フェリさんのために覚悟を示した明に対して、一さんは心から感服します。自分が誰かに対して感服するとは。しかも、その相手がざんぎり頭の少女だとは、と。
一回り以上年齢が下の女子ながら、プロフェッショナルな姿勢を貫く明に、一さんは感銘を受けたわけですね。そして、フェリさんにも「あなたは侍だな」と、フェリさんにとってこれ以上ない褒め言葉をかけるのです。

明の活躍もあって、晩餐会は滞りなく終わりました。仕事を終え、安堵から腰が抜けてしまった明を待っていたのは一さん!明に手を貸して、結果的に手を繋いで歩く場面は、保護者と子供に見えなくもない・・ながらも、なかなかお似合いでしたよ。純な女性が好みらしい一さん(梅との会話で藤のことを「妻」と言ってたのにはキュンとしました)、ここから明を女性として意識するまでに、どれくらい時間がかかるのかな。現時点でも好ましく思っているのは確かですが、今はまだ妹的な接し方ですからね。
第二部まで期間は空きそうですが、続きをのんびり待ちます。

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