2021/11/14
2020年11月始めに、もうすぐ16歳になろうかという愛犬が天国に旅立ちました。
ニトロの人生において、初めての飼い犬、初めてのペットでした。コロコロの仔犬からヨボヨボのお爺ちゃん犬になるまで、ずっと一緒ではありませんでしたが、楽しくかけがえのない時間を過ごさせてもらいました。
特にニトロ母にとっては、息子のような、戦友のような、文字通りかけがえのない存在だったので、落ち込みも大きくて。まだまだ、二人して泣き暮らす日々です。
今年になって、みるみるうちに衰えていったので、いつかは。。と覚悟はしていたけど、いざこうなってみると、やっぱり辛いものです。
せめて年を越して16歳まで生きて欲しかったなぁ。そのために、もっとできることがあったのではないかなぁ。なんてグルグル考えてしまうけど、全ては人間のエゴで、当の本人(犬)は、不自由だったドッグスーツを脱いでルンルンかもしれません。
そのせいかどうかは分かりませんが、どうも今ひとつ、何かを積極的にする気分になりません(お前の怠け癖を俺のせいにするなと怒られるかも)。
手を動かせば気が紛れるだろうと、元々編むつもりだったセーターに着手したものの、ちょっと一休みすると、再び編み始めるのが億劫に感じてしまう。お菓子作りも、ガクッとペースダウンしてます。あまり良くない傾向だな。。と思いつつ、今は無理してやることもないかと、気の赴くままに過ごしてます。
そんな時、ふと思い出したのが池田晶子さん。
かなり昔の話ですが、愛犬が亡くなった際の文章が日経新聞に掲載されていて、とても印象深い内容だったので、また読みたいなぁと思って検索したところ、『犬の力を知っていますか?』という題名の本が出てきました。なんか、もう題名だけで泣けるわ。。犬の力って。
生前、池田さんが様々な媒体に寄稿した文章をまとめたものらしく、もしかしたら件の文も掲載されてるかも?もし載ってなくても、きっと良い本だろうと思えたので、購入しました。
そしたら、読みたかった当の文章も収録されていて、なおかつ、今の心境にドンピシャな文章の数々。
ティッシュ片手に目を腫らしながら読んで、ニトロ母にも貸したら、感動した文章を手帳に書き写したりしてて、そーゆーとこ、親子だなぁと一人で感心してました。
哲学論については、俗世に生きてるニトロの頭では理解しきれないけど、犬に関するエッセイは「分かる、分かるー!!」のオンパレードで、楽しく、そして感動しながら読みました。
読むタイミングがバッチリ合ってたのも多分にあるだろうけど、やはり池田晶子さんは良いなぁと再認識。ツボを押さえられて痛いのに、読後は不思議と気持ちが落ち着いていて。鎮静剤のような本でした。
あんな悲しい思いをするのは二度とゴメンだから、ニトロはもう犬は飼いたくないと思ってるけど、犬だけが持つ純粋な信じる力って、やっぱり人間にはないものなので、どこかで抗えなくなったりするのかな?
でも、ニトロ単体では、多分飼わないだろな。。
元々はニトロ母と妹2が発起人(?)で、ボランティアさんから保護犬を譲り受けたのだけど、ニトロは飼うの反対の立場でしたから。
それまでにペットを飼った経験がないので、犬を飼う生活が想像つかなかったのと、皆働いてるから日中の留守番時間が長すぎるのが可哀相じゃないか?というのが反対理由だったのですが、ニトロ母の強い希望もあり、結局ニトロが折れる形で飼うことになりました。
ニトロ家の一員となってからは、ニトロもちゃんとお世話して可愛がりましたけどね。だからこそ、今がこんなに悲しい。こうなるのが分かってたから飼いたくなかったんだー!って気持ちと、でも、出会えたからこそ、楽しかったり笑えたりの沢山の思い出があるわけで。出会わなければ良かったなんて、もう言えません。出会ってくれて、私たち家族を選んでくれてありがとう、としか言えない。
愛犬が若くて元気な頃に、ニトロは仕事がハードで、なかなか散歩もちゃんと行けなかったり、待ちぼうけの時間が長かったり。。と、今ならもっとこうしてやれたのに、あれもしてやれたのに。と後悔も多いです。でも、晩年は、大好きなニトロ母と一緒の時間を沢山過ごせたから、それで許してくれるかな。
ニトロにとっては、最初で最後の犬だと思います。
マシャ、優しさと笑いと、沢山の愛をありがとう。